機能◇紹介(開発に至った経緯)

開発に至った経緯

私の住んでいる団地は、広島市の北部に有る、安佐北区可部東の「新建団地」です。
2014年8月20日の広島豪雨災害で、甚大な被害を受け、3人の尊い命を失いました。
被災後、自治会長をはじめ、防災担当者、各役員で話し合い、二度と犠牲者を出さない対策を進めました。
一つは、雨量計の設置です。近年の雨は狭い範囲に集中的に降ることがあり、実際に降った雨を把握するためです。
そして、その雨量情報を住民に知らせて、いち早く避難してもらうえる様に、ホームページを立ち上げ、いつでも雨量を確認できる様にしました。
もう一つが安否確認システムです。避難勧告などの避難情報が発令されたとき、自治会として、どう伝えるか、そして、どう把握するかで、大変苦労されていました。対面や電話では難しく、なんと言っても、大変な労力が掛かり、役員の方も大変でした。
そこで、インターネットを使い、一斉に避難を呼びかけ、各々が安否を発信してもらえる仕組みとして、安否確認システムを取り入れました。
役員の方の負担を軽減し、住民も時間的な束縛もなく、いつでも簡単に安否を伝えられる様になりました。
その後、安否確認システムを周知しスムーズに使って頂くために、日常でも使えるメール連絡網を組み込み、操作に馴染んでもらえる様にしました。
新しいコミュニティを作るツールとして、安否確認,メール連絡網,ホームページの機能を統括し「スマート自治会」としました。
井戸端会議の現代版として、新しいコミュニケーションツールとして活用して頂ければと思います。

開発の思い

全国の自治会・町内会で、この『安否確認システム』を使って、災害に強いまちづくりをして頂きたい。
30年以内に70%の確率で発生すると予測されている南海トラフ地震
そして、近年では地球温暖化の影響か、数十年に1度と言われる豪雨が毎年の様に発生しています。
その様な自然災害に備え、自治会での対策は重要になってきています。
防災対策の考え方として、「自助」「共助」「公助」の三助があります。
自助」:自分及び家族で助け合う
共助」:自治会・町内会などの地域コミュニティで助け合う
公助」:公的機関に助けてもらう
この『安否確認システム』を、共助のツールとして、犠牲者ゼロに役立てて下さい。
『すばやい安否確認が助かる命を救い、みんなの無事が安心をうみます!』

被災後、新建自治会では、二度と犠牲者を出さないために何が出来るか、色々対策を検討しました。
その中で、実施されたものが、自治会内に雨量計の設置と、安否確認システムの導入でした。
雨量計は、実際の雨量を体感と数値で把握し、早期に避難行動をするための情報として、
安否確認システムは、避難情報が発令されたとき、住民がどの様な行動を取ったか、また どの様な状態なのかを、みんなで共有し、助けが必要なら助けに行くと言う様な、共助のツールとして開発しました。

とは言え、このシステムは飽くまでもツールに過ぎません、上手に使うには先導者が必要です。
ITの専門的な知識は必要ありません、地域の防災リーダーが中心となり、みんなに使い方を教え、命を救う安心するためのツールとし使って頂ければと思います。

▼これまでの活動

ホームページには、ワードプレスと言うコンテンツ管理プログラムを使い、ホームページの管理を容易に行うことが出来るようにしました。
回覧板の内容を掲示したり、イベント日記(ブログ)を書いたりすることが可能になり、自治会の情報を世界にインターネットで発信しています。

◆◆◆ 安否確認システムの開発 ◆◆◆

避難情報発令時及び災害時に有効な情報伝達がないか思案しました。
災害時の情報伝達の難しさに直面した自治会では、今までの電話による連絡網に加え、インターネットを使用した安否確認システムの開発を試みました。
団地には高齢者も居られますので、出来るだけ簡単な方法を検討し、キーボードからの入力は、難しいのでQRコードを読み込むことにしました。間違えなく入力でき識別が確実にできます。
この安否確認システムは、発信された安否情報を住民みんなで共有し、自ら助け合いのできるツールのなっています。
一般的な安否確認システムは、一部の管理者が安否情報を把握するものが多く、その情報が他の方に知らされることは有りませんので、自ら助け合うという行動ができません。
また、自治会の様なコミュニティの場合、管理者自身も被災者になる可能性が有ります、そうなると機能しなくなります。
この安否確認システムは、安否を管理する人が必要なく、自らの判断で助け合いができる情報元になるツールです。

QRコードで、キー入力の苦手な人も、簡単に安否情報を発信できます。

◆◆◆ メール連絡網システムの開発 ◆◆◆

安否確認システムの運用を始めると、問題点が出てきました。
避難情報の発令や災害の発生など、頻繁に有ることでないので、操作方法を忘れたり、周知度が下がったりで、いざという時に、安否確認システムへの参加者が少なくなる心配が出てきました。
そこで、普段から使ってもらうシステムにするために、メール連絡網の機能を組み込みました。
自治会の連絡をメール連絡網で行い、システムの認知度を高めて、いざという時にスムーズな安否情報の発信ができる様にしました。
このメール連絡網は、近年、小中学校等でも使用されている事が多く、なじみやすいと思います。また 読んだことを送信者に知らせる既読確認が出来ますので、確実な情報伝達が可能です。
配信範囲も、グループ単位など選択でき、その中で個々にも選択できますので、メール送信の様な使い方が出来ます。
メールアドレスの情報は、システム内で管理しますので、受信者、送信者はお互いのメールアドレスを知ることがなく送信できます。メールアドレスのプライバシー情報が保護されます。

◆◆◆ 最初に表示されるサイトを、ポータルサイト化 ◆◆◆

QRコードを読み取って表示されるサイトを、ポータルサイトとしました。
ポータルサイトのポータル(Portal)は「玄関」や「入り口」という意味があり、インターネットにアクセスするときの入り口となるWebサイトのことです。「自治会の情報は、先ず そこにアクセスすれば得られる」と言うサイトにしました。
[ホームページ]に移るボタン、[メール連絡網]のボタンなど、よく使うボタンを配置しました。
そして、その画面は、避難情報が発令されると、安否情報発信ページに変わります。普段は情報収集のページとして機能し、避難時は安否発信のページとして機能する様にしました。